文中の緑色の文字は、「愛用道具紹介」に、画像&紹介記事があります。〈 〉は記事NO.
製作記③はまずはセミグロスブラックの塗り分けの様子から。ボディの下半分と、ガラスのフチのところです。
ボディをぐるりと1周するモールは
ツヤ消し黒フィニッシュの細切りを
貼りました。
実車ではこのモールより下は「ピッチ塗装」
でブツブツ。表現するかしないか迷いました
が、今回は普通に塗装して普通に磨き仕上げ。
黒塗り分け最後は一体成型のガラスのフチ。
よく4面一体トカいいますが、この部品は
ルーフの2枚も含めて6面一体。
どれも曲線を含む塗り分けラインなので、
マスキングシートの切り出しには
かなり手間がかかりました。
たくさん時間のある休日じゃないと
やれません。。。
カラス全体にクリアカラーを塗装済みなので
マスキングテープを貼ってる時間は
なるべく短くしたい。貼るのには時間かかり
ましたが、吹いたあとは速攻で剥がしました。
何か所か吹きこぼしがあったので、
コンパウンドで磨き取ってリカバリー。
一つの部品にこのマスキング、かなり
めんどくさそうでしょ。。。
最後に昔懐かしいデザインの車検ステッカーを
貼ってガラス完成です。裏貼りなので、デカール
を水中で筆でこすって糊分を洗い落としました。
で、印刷面にマークセッター〈66〉を塗って
貼り付けてます。
サンシェード&ガラス着色、初めてやりましたが
いい具合にできたので元気でます♪
キットのままの接着位置(助手席)だと、
シートが前に寄り過ぎかも。
シートバックがバルクヘッドに接しそうな
位置まで下げたいですが、そうすると
ステアリングから離れ過ぎな気もします。
中間ぐらいの位置(運転席)にしましょ。
ドア内張りとリヤの内張りの段差。
ゲート跡やバリを丁寧に均して、さらに少し
削ったりして解消しました。
カドを丸めて樹脂の造形っぽくしときます。
今作は「もし自分が当時この車を買えてたら」
って設定なので、AT。
MTのシフトブーツは削り取ってATの
インジケーターを自作してみましょう。
この車の内装で特徴的なのがこのファブリック。
かなり淡色のグレーで、モコモコ感強め。
シートだけじゃなくて、センターコンソールの
上半分やドアのアームレストまで同じ生地が
貼られてます。この辺りがファブリックって
珍しいですが、このクルマの特徴とも
言えます。
私、これまで布の表現をきちんとやった経験ありません。フェルトや「貼れる布」を貼るか、砂吹き塗装でお茶を濁すかの両極端。
今作は形状の複雑なシートをファブリックに見えるようにしたいので、新しい方法を模索してみます。
まずは「粉」を使うやり方。
フロッキー粉末でフロアマット作る技法がありますね。
今回、うーたん さんにお聞きしたら、瞬着パウダーや
ピグメントを使ったテストピースの写真を見せて
いただきました。で、模型店を覗きに行って、
こんなのを買ってみました。
座面はそのまま筆塗りした様子。
めっちゃ粉砂糖に見えます。スグレモノ。
でも、私の作りたいのはお菓子模型じゃない
ので、黒の塗料を混ぜてシートバックの
方にたっぷりめに塗ってみます。
平滑じゃないザラザラな感じは出ますが
モコモコの布っぽくはないかも。
私の知識&技術の範囲では、これをもっと
工夫してもファブリック感は出せない気がする
ので、いったんヤメ。
布では厚過ぎるんだから、もっと薄いモノを貼ろ、
ってことでトイレットペーパーを貼ってみます。
水性のハイグレード模型用〈60〉を水で3倍
ぐらいに希釈して筆で。
エンボス風な点々がいい感じかも。また、シワが
寄るのも素材感いいかな。
なんらかの改造をする時、私なりの合格尺度は「元の状態より改造後の方がいいって、迷わずに思える」です。このボロボロ感はその尺度に
合わないなあ。塗装までしたけど、これは却下。トイレットペーパーを剥がします。水性のノリでくっついてるので、水で溶かしながら
取れば、簡単に剥がせます。
破れちゃって貼り直しができない、って
状況を脱するべく、今度はティッシュペーパー
でやってみます。シワを最小限にしたいので
面ごとに細かく分けて貼っていきます。
はい、その通り、超面倒くさいです。
でも、妖しい執念に取りつかれてるので、
イヤにならずに4時間ほど没頭しました。
最初はノリを使わず、水のみで貼ります。
シワの貼り直しを容易にするためにね。
毛足の柔らかい筆に水を含ませて、少しずつ
馴染ませるように(右写真)。
で、水貼りができたら、希釈した水性接着剤を
塗布。こちらは少し固めの筆で、凹部分を
ツンツン押し込むように、ノリ溶液を
染み込ませます。
マット白にマット黒を少し混ぜて、
さらに極々少量のマット青を加えた
塗料をふわふわ砂吹き。
これなら「やってよかった尺度」に
届いたと思えます。
2シーターなのでこれで完了。
3列シートのミニバンじゃなくて
よかった。。。
こだわりついでに、室内の塗り分けを
いつになく丁寧にやってみます。
バスタブは「ライトグレーの布」
「黒っぽい布」「樹脂の黒」が
入り組んだ構成。ティッシュを貼った上には
マスキングテープもゾルも使えないので、
手順に工夫が必要。まずは樹脂表現の
セミ黒を吹くためのマスキング。
通勤の車内で連日手順を考えて、次のように
進めました。
A:樹脂部分のセミ黒塗装。
グレーに見えてる所をマスキングして、セミ黒を
砂吹きして樹脂っぽく塗りました。この時点では
ティッシュはどこにも貼ってません。
B:黒カーペット部分のマット黒砂吹き。
この写真で露出してる部分は実車では
カーペット調の布張り。でも、ここをティッシュ
表現したら、塗り分け不可能と思うので、妥協して
塗装のみで。まあ、インテリアの中で一番見えなく
なる所ですしね。。。
そして、最後の4色目。
D:シートと同素材の所のライトグレー。
ここをシートとおそろいにするのが内装の
こだわり所です。もちろんティッシュ貼り。
で、隣接するリヤトレーのマスキングは、
テープやジェルを使わずに、プラ板を置いて
隠しました。まっすぐな平面なので、それで
いけるだろうって考えです。
はみ出しゼロで塗り分け成功。よかった♪
お次はドアの内張り。
空調の吹き出し口、ドアハンドル、スピーカー、
きちんとしたモールドなのに、パワーウィンドウの
スイッチパネルだけ完全無視されてます。
水平面なので、内張りの中で一番見えやすい所
なのに。。。
スイッチはパネルの0.3ミリより厚い、0.5ミリの
プラ板を斜め(△)にカットして作りました。
△の頂点がパネルより0.2ミリ上に顔を出すコトで、
「スイッチある」って分かりやすいようにね。
小さい部分なので、それなりに見えるかな。。。
さて、内装はどんなふうに見えるか、ちょっと様子を見てみましょ。
やっぱり、屋根がガラスだとよく見えますね。普通のルーフの車とは段違い。
AT化したシフト周辺、シートベルトのバックル、フロアマットなどが残っちゃいましたが、製作記③がかなり長くなってきたので、
ティッシュ使いが終わった所でページを改めます。④に続く。。。
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