文中の緑色の文字は、「愛用道具紹介」に、画像&紹介記事があります。〈 〉は記事NO.
製作記③はまずはセミグロスブラックの塗り分けの様子から。ボディの下半分と、ガラスのフチのところです。
Z32 の顔のカッコよさと迫力のモトである
ヘッドライト。レンズの内側は黒いんですね。
斬新だったボディ一体型のフロントバンパー
は、ウィンカーレンズなどを配する中央部分が
やはり黒です。
ボディをぐるりと1周するモールは
ツヤ消し黒フィニッシュの細切りを
貼りました。
実車ではこのモールより下は「ピッチ塗装」
でブツブツ。表現するかしないか迷いました
が、今回は普通に塗装して普通に磨き仕上げ。
黒の塗り分け、スジへのスミ入れ、
完了です。右リヤフェンダーの〇は
パワーアンテナの基部だってコトに
今頃気づいて、ドキドキしつつ穴を開けて
丸リベット刺しました。
ドアミラーの付け根の三角も黒の樹脂なので
塗り分けます。ここのマスキングは難しくて
黒のはみ出し多数。要修正ですね。
黒塗り分け最後は一体成型のガラスのフチ。
よく4面一体トカいいますが、この部品は
ルーフの2枚も含めて6面一体。
どれも曲線を含む塗り分けラインなので、
マスキングシートの切り出しには
かなり手間がかかりました。
たくさん時間のある休日じゃないと
やれません。。。
カラス全体にクリアカラーを塗装済みなので
マスキングテープを貼ってる時間は
なるべく短くしたい。貼るのには時間かかり
ましたが、吹いたあとは速攻で剥がしました。
何か所か吹きこぼしがあったので、
コンパウンドで磨き取ってリカバリー。
一つの部品にこのマスキング、かなり
めんどくさそうでしょ。。。
最後に昔懐かしいデザインの車検ステッカーを
貼ってガラス完成です。裏貼りなので、デカール
を水中で筆でこすって糊分を洗い落としました。
で、印刷面にマークセッター〈66〉を塗って
貼り付けてます。
サンシェード&ガラス着色、初めてやりましたが
いい具合にできたので元気でます♪
製作記③のメインテーマ、内装にいきましょう。
実車の造形をしっかり再現してあるようです。
ただ、白い□部分辺りの段差やスキマが
目立ちます。直さないと。。。
キットのままの接着位置(助手席)だと、
シートが前に寄り過ぎかも。
シートバックがバルクヘッドに接しそうな
位置まで下げたいですが、そうすると
ステアリングから離れ過ぎな気もします。
中間ぐらいの位置(運転席)にしましょ。
シートの接着ゲタを削り取ります。
赤い矢印の所、デッカイ押し出しピン跡が。
内装部品でこういうのよく出くわします。
これを埋めるのキライ&苦手なので、
プラ板をかぶせちゃいます。
ドア内張りとリヤの内張りの段差。
ゲート跡やバリを丁寧に均して、さらに少し
削ったりして解消しました。
カドを丸めて樹脂の造形っぽくしときます。
今作は「もし自分が当時この車を買えてたら」
って設定なので、AT。
MTのシフトブーツは削り取ってATの
インジケーターを自作してみましょう。
シートの接着ゲタはプラ角棒貼り付けただけ。
ブーツを削った所を平面になるように整えて
そこにぴったりハマる形にプラ板を
切り出します。ATのインジケーター、
うまく作れるかなぁ。結構不安です。。。
押し出しピン跡隠しのプラ板も切り出し。
型紙を作るのが難しい場所なので、この
切り出しは時間かかりました。
2枚失敗作を作って、この写真に写ってる
のが3枚目だったりします。
この車の内装で特徴的なのがこのファブリック。
かなり淡色のグレーで、モコモコ感強め。
シートだけじゃなくて、センターコンソールの
上半分やドアのアームレストまで同じ生地が
貼られてます。この辺りがファブリックって
珍しいですが、このクルマの特徴とも
言えます。
私、これまで布の表現をきちんとやった経験ありません。フェルトや「貼れる布」を貼るか、砂吹き塗装でお茶を濁すかの両極端。
今作は形状の複雑なシートをファブリックに見えるようにしたいので、新しい方法を模索してみます。
まずは「粉」を使うやり方。
フロッキー粉末でフロアマット作る技法がありますね。
今回、うーたん さんにお聞きしたら、瞬着パウダーや
ピグメントを使ったテストピースの写真を見せて
いただきました。で、模型店を覗きに行って、
こんなのを買ってみました。
座面はそのまま筆塗りした様子。
めっちゃ粉砂糖に見えます。スグレモノ。
でも、私の作りたいのはお菓子模型じゃない
ので、黒の塗料を混ぜてシートバックの
方にたっぷりめに塗ってみます。
平滑じゃないザラザラな感じは出ますが
モコモコの布っぽくはないかも。
私の知識&技術の範囲では、これをもっと
工夫してもファブリック感は出せない気がする
ので、いったんヤメ。
布では厚過ぎるんだから、もっと薄いモノを貼ろ、
ってことでトイレットペーパーを貼ってみます。
水性のハイグレード模型用〈60〉を水で3倍
ぐらいに希釈して筆で。
エンボス風な点々がいい感じかも。また、シワが
寄るのも素材感いいかな。
グレーを吹いてみます。
色がつくと陰影がはっきり見えて、
シワが強すぎると分かりました。
よし、なるべくシワをつけずに貼ってみよう。
と、頑張ってみます、が。
貼ってる時にシワになったら、一度浮かして
貼り直したいんですが、例外なく破れて
しまい、貼り直しなんてできない。
仕方ないので、そのまま貼り付けて、
塗装してみます。
できるだけ注意して貼っても、矢印のように
全身にシワが。
また、〇の中のように溶けて穴が開いたり
してます。
全体的にモコモコというよりボロボロ感が
漂ってますねぇ。
なんらかの改造をする時、私なりの合格尺度は「元の状態より改造後の方がいいって、迷わずに思える」です。このボロボロ感はその尺度に
合わないなあ。塗装までしたけど、これは却下。トイレットペーパーを剥がします。水性のノリでくっついてるので、水で溶かしながら
取れば、簡単に剥がせます。
破れちゃって貼り直しができない、って
状況を脱するべく、今度はティッシュペーパー
でやってみます。シワを最小限にしたいので
面ごとに細かく分けて貼っていきます。
はい、その通り、超面倒くさいです。
でも、妖しい執念に取りつかれてるので、
イヤにならずに4時間ほど没頭しました。
最初はノリを使わず、水のみで貼ります。
シワの貼り直しを容易にするためにね。
毛足の柔らかい筆に水を含ませて、少しずつ
馴染ませるように(右写真)。
で、水貼りができたら、希釈した水性接着剤を
塗布。こちらは少し固めの筆で、凹部分を
ツンツン押し込むように、ノリ溶液を
染み込ませます。
連続面だけど分けて貼りたい、って場所は、
ハサミでカットせずに、こんなふうに
ちぎって、少しでも境い目がぼやける
ようにしてみます。
貼り終わった所です。
今度こそいい感じじゃないか♪
毛羽立ち過ぎず、布っぽい風合いに見える
ように思えます。
織り模様で色に変化があるような布表現
なら、このまま無塗装もありかも。
マット白にマット黒を少し混ぜて、
さらに極々少量のマット青を加えた
塗料をふわふわ砂吹き。
これなら「やってよかった尺度」に
届いたと思えます。
2シーターなのでこれで完了。
3列シートのミニバンじゃなくて
よかった。。。
リヤハッチの下はこんな構成です。
タイヤハウスの辺りはは黒い樹脂で
トノカバーは黒っぽいカーペット張り。
こうして見ると室内は布貼りの所だらけ
なんですねぇ。
これまでなら即「貼れる布」ですけど、
せっかくなので、ここもティッシュ作戦。
薄く仕上げられるので、こんな部分を
追加しても不自然になりにくいかと♪
こんな感じ。
ティッシュを貼って、
真っ黒より少しグレー寄りに調色した塗料を
吹いてみました。
こだわりついでに、室内の塗り分けを
いつになく丁寧にやってみます。
バスタブは「ライトグレーの布」
「黒っぽい布」「樹脂の黒」が
入り組んだ構成。ティッシュを貼った上には
マスキングテープもゾルも使えないので、
手順に工夫が必要。まずは樹脂表現の
セミ黒を吹くためのマスキング。
缶スプレーの砂吹きです。
うまく均一のツブツブが吹けました。
完成後にどれぐらい見えるか知りませんが、
ここまではうまくいっていい気分です♪
なんですが、ここの手順で頭を一ひねり。
バルクヘッドはシートと同色で、リヤシェルフは
黒カーペット。ティッシュ貼りが隣接するので、
どう塗り分ければいいか。。。
通勤の車内で連日手順を考えて、次のように
進めました。
A:樹脂部分のセミ黒塗装。
グレーに見えてる所をマスキングして、セミ黒を
砂吹きして樹脂っぽく塗りました。この時点では
ティッシュはどこにも貼ってません。
B:黒カーペット部分のマット黒砂吹き。
この写真で露出してる部分は実車では
カーペット調の布張り。でも、ここをティッシュ
表現したら、塗り分け不可能と思うので、妥協して
塗装のみで。まあ、インテリアの中で一番見えなく
なる所ですしね。。。
C:ラゲッジのトレーの濃グレー。
別体で作ったプラ板の部品と同じファブリック
なので、ティッシュを貼ります。
で、そこだけ露出させて、白をちょい混ぜの
濃グレーで塗装します。
とっても気に入りました♪
リヤのこの辺りの布の感じ、こんなんでしょ?
樹脂部分の黒との明度の差もちょうどよかった
と思います。
そして、最後の4色目。
D:シートと同素材の所のライトグレー。
ここをシートとおそろいにするのが内装の
こだわり所です。もちろんティッシュ貼り。
で、隣接するリヤトレーのマスキングは、
テープやジェルを使わずに、プラ板を置いて
隠しました。まっすぐな平面なので、それで
いけるだろうって考えです。
はみ出しゼロで塗り分け成功。よかった♪
細かいコトですが、ここは周囲の樹脂の
つぶつぶ塗装と、中央のパネルの平滑塗装
も塗り分けてます。
完成後には日の目を見ない努力なので、ここで
紹介しとこ。。。
下半分はファブリックなので、
シートとおそろいの塗装です。
ルーフも含めてガラス面積の大きい車なので、
クローズドボディの割には室内が見えるでしょうが、
それにしても真面目に塗装しましたねぇ。
これで7合目ぐらいまで来たかな。
お次はドアの内張り。
空調の吹き出し口、ドアハンドル、スピーカー、
きちんとしたモールドなのに、パワーウィンドウの
スイッチパネルだけ完全無視されてます。
水平面なので、内張りの中で一番見えやすい所
なのに。。。
ちょっと前に購入したばかりの、GodHandの
スピンブレードを彫刻刀のように使って、
手の入る穴を最初に彫ります。
0.3ミリプラ板でパネルを切り出して。
スイッチは後でね。
助手席側は穴じゃなくてグリップで開閉する
構成。左右のドアでこんな所が違うって、
バブル時代の鷹揚さを感じます。。。
これもパーツはないので、プラ棒削り出しで
作りましょ。
当てがっては削り。
得意の現物合わせ作戦です。
取り付けの位置も角度も実車に近い具合に
できました。
裏に塗料が回るように、別体で塗装しときます。
スイッチはパネルの0.3ミリより厚い、0.5ミリの
プラ板を斜め(△)にカットして作りました。
△の頂点がパネルより0.2ミリ上に顔を出すコトで、
「スイッチある」って分かりやすいようにね。
小さい部分なので、それなりに見えるかな。。。
最後のティッシュ作戦は内張り。
とても面倒くさかったけどとても面白かった。
さて、内装はどんなふうに見えるか、ちょっと様子を見てみましょ。
やっぱり、屋根がガラスだとよく見えますね。普通のルーフの車とは段違い。
AT化したシフト周辺、シートベルトのバックル、フロアマットなどが残っちゃいましたが、製作記③がかなり長くなってきたので、
ティッシュ使いが終わった所でページを改めます。④に続く。。。
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